Vol.21「2026年夏ドラマレビュー」
前回、連載はひとまず休止と書いたが、需要があったので復活した。
誰でも観れる地上波から、これは観た方がいいというドラマだけ挙げた。だから「GTO」とか、その前のGACKT主演のドラマとかは入っていない。それらが好きな方には申し訳ない。
ここに挙げた以上に観てはいるが、オススメと言えるものだけを挙げた。観たいドラマの参考にしていただければと思う。
文:板倉京一
考察の日曜日
『VIVANT』
言わずと知れた社会現象ドラマ。TBSはやたら特番を組んだり、出演者を他の番組に出したりして盛り上げようとした。というか、「VIVANT」頼みで他の番組も一緒に盛り上げようとした。
しかし、蓋を開けてみると、今期最高の視聴率とはいえ、前回ほどは盛り上がらない。回を追うごとに右肩下がりしているらしい。
原因はいろいろと考えられるが、前回は番宣も控え「VIVANT」自体が何かわからないようにしていたのに対し、今回はどんなドラマか最初からわかっているからだろう。意外な展開ばかりを考え、ストーリーが複雑化し、ついていけなくなった人も多いに違いない。誰もが考察好きとは限らないのだ。
毎週日曜夜21:00~21:54
TBS系公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs
『マイ・フィクション』
「VIVANT」に隠れているが、これも考察好きにはたまらないだろう。主人公は愛する妻と幸せな毎日を送っていると思っていた。ところが、妻や職場の同僚が、突然自分のことを知らないと言い始めた。考察せずに普通に観ていたら、最初はあり得ないと思っていたことが、話が進むにつれてその謎が次々明らかになっていき、あながち無茶な話ではないような気もしてきた。
主人公に玉森裕太。ジャンボたかおが怖い。全8話なので、もうすぐ終わってしまうが、今からでも配信で観られるので未見の方は是非どうぞ。
毎週日曜夜22:15~23:09
テレ朝系公式サイト:https://www.asahi.co.jp/myfiction/
ヒューマンな火曜日
『さよならノワール』
一風変わった刑事ドラマが生まれた。犯罪被害者支援室を舞台に元刑事と心理学者がバディを組み、事件を捜査するのではなく、犯罪被害者や遺族に寄り添うヒューマンドラマになっている。
脚本はベテラン井上由美子、演出は河毛俊作という万全の布陣。主演の元刑事には小池栄子、バディの心理学者には北香那が扮している。二人とも抜群の演技力で物語を堪能出来る。
毎週火曜夜21:00~21:54
フジ系 公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sayonaranoir-cx/
『クロスロード~救急救命の約束~』
今期は医療ドラマが多い気がするが、これは描き方が一味違っていて面白い。救急救命に携わる3人の若者が中心だ。一人は今田美桜が演じる若き救命医。もう一人は、寛一郎が演じる消防署・救急隊の隊員。最後の一人が、泉澤祐希が演じる交番に務める巡査部長。この3人がいろんなタイプの患者と接し、成長しながら1人前になっていく。3人を助ける大人たちに磯村勇斗や小雪、船越英一郎らがいる。
毎週火曜夜21:00~21:54
テレ朝系 公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/crossroad/
エンターテインメントな木曜日
『大空港~GATE24~』
いろんな職業モノのドラマがある中で空港を扱ったものは珍しいのではないか? ましてや、パイロットやCAではなく、税関職員だ。しかも税関と入管を同時に行うという架空のスペシャルユニット「GATE24」が舞台。外国からの脅威を防ぐ最前線の話。もちろんエンターテインメントの魅力がいっぱい。
それを担う主人公の税関職員にテレ朝の連続ドラマ初主演の趣里。「ドクターX」や「緊急取調室」の枠でまたヒット作が生まれるか?
毎週木曜夜21:00~21:54
テレ朝系 公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/daikuukou/
『一緒にごはんをたべるだけ』
キチラブらしく食に特化したドラマは今期は少ない。中でも筆者のお気に入りなのがこの「一緒にごはんをたべるだけ」。大町テラスさんがコミックDAYSなどで連載していたマンガが原作で四巻で完結している。ドラマでは毎回一品、かなり丁寧に料理の仕方を教えてくれるが、この作品の特徴は「グルメ」に「不倫」を掛け合わしてるところだ。
料理講師家の澤田タキを演じるのは早見あかり。タキに料理のレシピを依頼する料理雑誌の編集者・斎藤レイに伊藤健太郎。二人はお互いに既婚者なのに、それぞれのパートナーではなく、お互いのことをどうしようもなく欲してしまうのだ。不倫のシーンは料理シーン以上に熱が入っていて、地上波でここまでやっていいのかと思ってしまう。
毎週木曜深夜24:00~24:30
テレ東系 公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/isshonitaberudake/
傑作をじっくり楽しむ金曜日
『Tシャツが乾くまで』
「silent」「いちばんすきな花」「海のはじまり」の生方美久がまたすごいドラマを作っている。金曜ドラマ「Tシャツが乾くまで」だ。
子供はいないながらも夫と幸せな生活を送っていると思っていた咲子。コインランドリーで出会ったのは近所に住む園田だ。ある日、夫がフラッとバスに乗って出て行った。そのバスには園田の妻も同乗していてバスが事故に遭い彼女は死んだ。咲子は慌てて調べるが、夫は園田の妻と一緒にどこかへ行こうとしたらしい。しかし、警察の調べによると夫は途中でバスを降りており、事故には遭わなかった。夫は生きている? しかし帰って来ない。同じバスの事故で夫が行方不明になった咲子と妻が死んだ園田の奇妙な関係が始まる。
簡単にいうとこんな話だが、このあと夫は帰ってくる。出演者はここからが本筋だというのだが、果たしてどうなるのか? 咲子を演じるのは地上波連ドラ主演は18年ぶりという蒼井優。園田に中島歩。夫役には松山ケンイチ。死んでしまった園田の妻役は夏帆。他に高橋文哉やリリー・フランキー、齋藤飛鳥らが花を添えているが、やっぱり主演の蒼井優の演技が凄い。一年も自分をほっといて帰ってくる夫が腹立たしいが嬉しいという複雑な感情を熱演している。脚本の生方さんはフジTVを離れ始めて他局で書いた。ある意味、風呂敷を広げすぎた「VIVANT」より、こっちの方が気になってしまう。
毎週金曜夜22:00~22:54
TBS系公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tshirt_ga_kawakumade_tbs/
『名探偵のままでいて』
深夜枠でやるのが勿体無いと思わせてくれる良質のドラマだ。ミステリであるが、謎解きは大したことはない。しかし、設定の面白さでグイグイ見せる。認知症を患っているおじいちゃんは、元小学校の校長で大のミステリ好き。現役小学校教諭の孫娘の持ってくる事件を、話を聞いただけで鮮やかに解いてしまう。謎解きはもちろん、おじいちゃんと孫娘の絆、二人を取り巻く人々の人間ドラマ、そして孫娘には恋愛ドラマも優しい視線で描かれていて、おじいちゃんならずとも気になるところ。
主人公の孫娘に吉川愛、ミステリ好きのおじいちゃんに奥田瑛二。ミステリも認知症もよくわかる。
毎週金曜夜23:15~24:15
テレ朝系 公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/meitanteinomama/
これも好き。お楽しみの土曜日
『告白~25年目の秘密~』
考察ドラマばやりだが、これもその一つ。幼い頃からずっと一人の女性を片想いし続けてきた主人公が、その女性と同じ会社に入り徐々に親しくなっていく。25年間も。それは純愛なのか、ストーカー的な狂気なのか。
ある意味怖い話だが、SixTONESの松村北斗が実にうまく演じている。25年間、片想いし続ける相手が岡崎紗絵というのもリアルでいい。彼女のキャリアを考えると土曜9時は大抜擢だと思うが、よく応えている。
毎週土曜夜21:00~21:54
日テレ系 公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kokuhaku/
今期不作の帯ドラマ
連続テレビ小説『風、薫る』
前回もイマイチのれないと書いたが、相変わらずそうだ。
たまたま有村架純の「ひよっこ」の再放送が始まったが、こっちはなんでもないシーンでも泣ける。「ひよっこ」と比べるのは可哀想か。今となっては早く次のドラマに代わってほしいと思っている。
月〜金 朝8:00〜8:15
NHK ONEの該当ページ:https://www.web.nhk/tv/an/kazekaoru/pl/series-tep-XWRG4KR6Z2
ということで、今期は不作かと思ったら意外と良作が多かったように思う。
配信であれだけ予算と時間をかけた物を作られると、下手なものは作れなくなってしまうので、しっかりした物を作る傾向にあるのではないか。いいことである。
予算が足りず、WOWOWやCSと組む作品は今後も増えるだろう。
Vol.20「2026年春ドラマレビュー 日・帯ドラマ編」はこちら


小-500x369.jpg)

小--500x369.jpg)
小--500x369.jpg)
小-500x369.jpg)
-500x293.jpg)
小-500x375.jpg)