テレビドラマ『おいしい給食season4』の主演を務めた市原隼人さんと新ヒロインの山本千尋さん、新ライバル生徒の橋本偉成さんが本誌のインタビューに答えてくれました。
取材:種藤 潤
文:板谷 智
――映画も含めて、本誌では今回で3回目のインタビューになります。おかげさまで、前回の映画「おいしい給食 炎の修学旅行」を掲載した号は、人気で在庫がなくなってしまいました。しかもこのご縁で、広島・尾道の映画館「シネマ尾道」での上映と舞台挨拶が実現しました。ありがとうございました。
改めまして、本作の制作にあたって、それぞれの意気込みを聞かせてください。
市原:前作までに甘利田が極端に寒がりだったと描かれていましたが、今作は甘利田が極端な暑がりだったと始まり、これは面白くなるに違いない!と思いました。そして、沖縄ならではの食文化や学校給食とともに…今までの駄菓子屋でのエピソードのようなまた新たなサブストーリーが含まれてきますので、もうホントに進化し続けています。さらにパワーアップした甘利田幸男の暴れっぷりもそうですし、振り回され方もそうです。新たなライバル生徒と新たなヒロイン、新たなキャストの皆さんと沖縄でしか撮れない作品になっておりますので、ぜひお楽しみください。
山本:私は一ファンとして『おいしい給食』が大好きだったので、まさか出られるとは、と驚きました。
もちろん、ヒロインを演じたいという思いもあって、『おいしい給食』のこれまでのヒロインたちは、甘利田先生からいい影響を受けて強くなるっていうイメージで、私もついにそういうカワイらしいヒロインを演じられるのか?と思ったら、体育教師の役柄で、何なら甘利田先生を押しまくる感じで、まぁ私だったらそうなるのか…って思いました(笑)。でも、今までのヒロインの方達よりも甘利田先生を人として大好きっていう気持ちは絶対負けない想いで、演じさせていただきました。

――じゃあその葛藤の中で、甘利田先生への水平チョップが出るわけですね。
市原:(笑) 今までとはまた違うタイプのヒロインで、すごく嬉しかったです。また新たな甘利田を引き出していただきました。
――山本さんとしては、複雑な思いを込めながら・・・。
山本:いえいえ、私も嬉しかったです(笑)。今までとはまた違うタイプのヒロインを演じようと思ったので、市原さんも「思いきりいいよ」と言ってくださって、思いっきりいかせていただきました。
市原:(笑)
――そういう中で橋本さんは、今までのライバルと違いつつも、しっかりと味を出された雰囲気で臨まれましたが、どうでしたか?
橋本:僕も『おいしい給食』がずっと大好きで、観ていたドラマだったんですけど、今度は観てもらう側になったのでだから、より難しくて、自分なりに研究して、甘利田先生に顔を近づけられても、怯まず立ち向かえるレンでありたいと志してやりました。

――志して、いざやると出来るものなんですね?
橋本:最初は緊張しかなくて、甘利田先生は初めて会った時から優しくしてくださったんですが、逆に撮影が近づくと怖くなってきて、どうやったら當間レンになれるかな?とか、僕で正解だったのかな?と思っていました。でも、出演者もスタッフも、皆さんがとにかく優しくしてくださったから、今の自分があるのかなって思います。
撮影の途中からは楽しくて楽しくてしょうがなかったです。振り返ると、1回目などは今の自分だったら、もっとこう出来たのになって思うこともありましたが、自分が當間レンであって本当に良かったと誇りに思います。
――すごいですね。どうですか、市原さん? ま、ライバルですが。
市原:今までとはまた違うライバル像ですね。どこか儚げでどこか寂しさを感じるような。寄り添いたくなるような、そして放っておけないような人物像が描かれていて、観ているお客さまが共感していただきながら、自分の中に眠っている人間愛というものがひどく掻き立てられる、どこまでもかわいらしい新たなライバルです。
――かわいらしいというのはすごくわかります。僕はフツーのおじさんなんですけど(笑)、なんかキュンとくるような…うまく伝えられないですけど。
市原:そうなんです。何かこう、仕掛けるというよりも、自然とまわりを振り回してしまうような魅力を持っている、そういうライバル生徒になっています。
(山本)千尋が演じる平(美晴)先生、(橋本)偉成演じる(當間)レンが、今までにない新たな『おいしい給食』の作品の空気感を作ってくださり、感謝しきれないです。端から端までどこを観ても愛に溢れていたなと。
原作モノではなくオリジナル作品だからこそ、シリーズを重ねるごとに、魅力を増していけるのが嬉しいです。甘利田としてはどんなに環境や情勢が変わっても常に変わらないでいることが、大切だと思っています。
また、シーズン1は1984年でしたが、今回は1992年が舞台になり、平成の給食文化も見ていただきたいです。
――細かいですけども、大事なポイントですね。
市原:今、日本人が忘れかけているような、古き良きワビ、サビというものもたくさん入っています。純粋に「いただきます」「ごちそうさま」「よろしくお願いします」という日本独特の言葉の美しさがあり、繊細な精神が宿ったもので、いつまでも大事にしなければならないと感じていまして。私が思っているこの日本の精神も文化も歴史もいろいろな重みを含めて、一緒に味わっていただきたい思いがあります。とにかくパワーアップした作品になっています。
給食を通して、食に対してこだわることや、地産地消を行い、各地の素敵な食材を使うことだったり、オーガニックの食材を使う取り組みが注目されていたり、そういうことは、本当に大事だと思います。

――国も今、オーガニック食材を給食に使おうという姿勢ですよね。お二人はどうですか? 基本、ユーモアのある作品なんだけど、こういう熱い思いを聞かれてびっくりされたんじゃないですか?
山本:私は毎日好きが増す一方です。市原さんのお人柄もそうですけど、やはり本当に嘘偽りの無い、全てのことに向き合われていて、スタッフさんにもキャストにも愛でしかない言葉、行動をしてくださるんですね。市原隼人さんのためなら何でもするっていうスタッフさんの心も見えますし、やはりそれだけ愛されるには愛さなければいけないじゃないですけど、ホントに相思相愛の姿が現場で見られて、なんて幸せな空間なんだろうと、終わってほしくないと思いましたね。寂しくてホントに。
それこそデビューした時の感覚に近かったです。私、17歳でデビューしたんですけど、その時見たキラキラしてるすべてを思い出し、また初心に帰れたと言いますか、作品を作るってこうだよね、と、まさに原点を示されてるなって思いました。
――今まで感じたことのない愛に包まれていたんですね。橋本さんはどうでした?
橋本:僕が思ったのは甘利田さんと市原さんの2つの人間性があるなと思って、まず初めてお会いした時は、甘利田先生みたいに睨まれたらどうしようって(笑)、それでずっと緊張してたんですけど、次にお会いしたのが衣装合わせで、ニコニコ挨拶してくださって、あっ、すごく優しい人だなって(一同爆笑)
――ある意味、甘利田先生ではなかったと。
橋本:でも撮影の時はリハーサルから本気で甘利田幸男になっていて、しっかり給食にも愛を込めて、その上で演技的にも甘利田先生にちゃんとなりきっていて、本当に尊敬できるし、僕もそういう人間になりたいなって思いました。役者として本当に尊敬してます。

――今回は沖縄が舞台ですが、食の地域性に関してはどうですか?
橋本:実はお母さんが尾道出身で、やっぱり尾道ラーメンが美味しくて。今まで食べたことのないラーメンで、じゃけぇとか、尾道の方言とかもあって、地域の方々も優しいし。尾道には小さい頃に1回だけ行ったことがあるんですが、すごく暖かい所だなあって思いました。
――早くも違いがわかるのは大物ですね。山本さんはいかがですか?
山本:『おいしい給食』に参加して、より日本の文化だったり、食事というのが尊い存在だというのを改めて感じましたし、みんなで同じ時間に同じものを食べる楽しさだとか、残ったデザートをみんなでジャンケンする姿とかは日本にしかないかもしれないなと。あと日本って一つ一つに神様が宿るじゃないですけど、米粒一つにも神様が宿っていると言われてきたので、米粒一つ残しちゃダメだよ、バチが当たるよっていうのとかもすごく日本らしくて素敵だなって思って、『おいしい給食』を観ているとそういった食事が取れていることのありがたさや尊さを感じると私は思いました。
――キャスティングにそのマインドが出ていて、すごいなと思いました。最後に市原さん、まとめを。
市原:これまで関東近郊から北海道、青森、岩手と、その地域でしか味わえないものを食べさせていただき、日本はこんなに広かったのか? 日本人なのに日本の知らないことがまだまだいっぱいあると。それに気づくことができたのは『おいしい給食』という作品のおかげです。
学校給食は地域の方々、大人たちが健康や栄養のことも考えて地産地消しながら、後世に残しておきたい食材、食文化も含まれると思うんです。
今作、シーズン4で言えば「豚は鳴き声以外全て食べられる」と云われる沖縄ならではの食材があったり、沖縄もホント奥が深いなと。独特で、それがとてもステキでした。
『おいしい給食』は、他では味わえない食文化や学校給食を題材に、コメディとして世代を問わずすべての皆さまに楽しんでいただける作品になっていますので、よろしくお願いします。
――貴重なお時間をありがとうございました。給食の良さをあらためて感じましたし、今回から入ったお二人の市原さんに対する熱い想いを強く感じる時間でした。
どの世代でも楽しめるエンターテイメントでありながら、しっかりしたメッセージ性もある『おいしい給食season4』は2026年10月よりテレビ神奈川、TOKYO MX、BS12 トゥエルビ他にて順次放送予定です。

今回特別に第1話を無料公開しているQRコードを添付しました。下記よりお読み取りください。

市原隼人(いちはらはやと)
1987年2月6日生まれ、神奈川県出身。
山本千尋(やまもとちひろ)
1996年8月29日生まれ、兵庫県出身。
橋本偉成(はしもといせ)
2012年9月23 日生まれ、大阪府出身。
前回のインタビューはこちら。
ドラマ『おいしい給食 season4』公式サイト:https://oishi-kyushoku4.com/
劇場版『おいしい給食』第5弾 2027年公開予定




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