2026年5月10日・11日の2日間、東京流通センターで開催された「RAW WINE Tokyo 2026」に、ビオサケプロジェクトとオーガニックヴィレッジジャパンが出展しました。
ビオサケプロジェクトとしては2回目の参加。会場ではオリジナルビオサケ「つなぐ」を紹介し、多くの来場者との交流を楽しみました。
これまで木桶や発酵文化、自然酒に関わる生産者の方々を訪ねてきたsonoですが、RAW WINEは少し特別な場所です。
そこでは日本酒もワインと同じように、農業や微生物、土地の個性、生産者の哲学といった視点から語られます。普段の日本酒イベントとは異なる角度から日本酒が見つめられており、そこには日本酒の新たな可能性を感じる出会いがありました。
文:sono
RAW WINEとは
RAW WINEは、マスター・オブ・ワインのイザベル・レジェロン氏が2011年にロンドンで立ち上げた、世界最大級のナチュラルワインコミュニティです。
現在はロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、トロント、モントリオール、ベルリン、パリ、コペンハーゲン、上海、ヴェローナなど世界各地で開催されており、東京での開催は今年で3回目となります。
出展にあたっては独自の厳しい審査基準が設けられており、原料栽培から醸造までの工程を開示し、有機農法や天然酵母による発酵などの基準を満たした生産者のみが参加できます。
イザベル氏が大切にしているのは、単にワインを紹介することではなく、生産者の哲学や農業への姿勢、その土地ならではの個性を伝えることです。そのためRAW WINEは試飲イベントという枠を超え、生産者、飲食店、インポーター、消費者が交流しながら、農業や発酵、環境について考える場にもなっています。
RAW WINE 公式サイトより

ワインの世界で見た日本酒
今回の会場には、ワイン生産者やインポーター、飲食店関係者、海外からの来場者など、多様な人々が集まっていました。
グラスを傾けながら外観や香りを確かめ、生産者の話に耳を傾ける。味わいだけでなく、その背景にある土地や農業、醸造への考え方まで含めて楽しんでいました。

日本酒も、精米歩合や日本酒度よりも、その土地でどのように米を育てたのか。どのような微生物と向き合いながら発酵させたのか。どんな思想で酒を醸しているのか。日本酒とワインが、農業や発酵という共通言語を通して語られていることがとても印象的でした。
今回、下記の酒蔵や企業、団体が日本酒を紹介していました。
- 仁井田本家(福島)
- 寺田本家(千葉)
- 木戸泉酒造(千葉)
- 福光屋(石川)
- 神戸酒心館 福寿(兵庫)
- 美吉野醸造(奈良)
- Patagonia Provisions
- ビオサケプロジェクト/オーガニックヴィレッジジャパン
自然栽培や有機農業、生酛づくり、木桶仕込みなど、それぞれ異なるアプローチを取りながらも、「自然との関わり」を大切にする生産者たちが集まっていました。







ビオサケ「つなぐ」への反応
私たちのブースでは、オリジナルビオサケ「つなぐ」をご紹介しました。
ビオサケプロジェクトの取り組みや、「農業と酒造りをつなぐ」「生産者と飲み手をつなぐ」というコンセプトに興味を持ってくださる方が多く、海外からの来場者や飲食関係者の方々ともさまざまなお話をすることができました。
また味わいについても、
「酸の出方が面白い」
「旨みの余韻が長い」
「日本酒のイメージと違って新鮮」
といった感想をいただきました。
RAW WINEには、ワインを基準に味わいを捉える方も多く来場します。そのような方々が、日本酒の酸や発酵由来の複雑さに興味を示してくださったことは、とても印象的でした。

「日本酒にとっての自然醸造とは何か」
会場では、美吉野醸造(奈良)の橋本杜氏と、木戸泉酒造(千葉)の莊司杜氏によるトークセッションも開催されました。
テーマ
『日本酒にとっての“自然醸造”とは何か。』
スピーカー
美吉野醸造(奈良)橋本杜氏
木戸泉酒造(千葉)莊司杜氏
モデレーター
今田周三(株式会社山水舎 代表取締役)
”自然酒”という言葉は広く使われていますが、その考え方や実践は蔵によってさまざまです。
両蔵に共通していたのは、酵母を添加せず、蔵に棲みつく微生物の力を活かした酒造りへの挑戦。自然醸造というと、ただ自然に任せるイメージを持つかもしれません。しかし実際には、微生物の働きを見守りながら、その年の米や気候と向き合い、目指す味わいへと導いていく繊細な技術が求められます。
また、味わいのところで話題に上がったのが「酸」の存在。酸の強さだけでなく、その質や広がり方のバランスが酒の個性を生み出し、ときに飲み手へ強い印象を与えます。
自然醸造のお酒との出会いを「壮大な景色を見たような衝撃」と表現していました。単に香りや味の違いを楽しむだけではなく、その土地に棲む微生物や環境、生産者の考え方まで含めて味わうこと。それもまた自然醸造の魅力なのだと感じました。
環境問題やアルコール飲料を取り巻く課題があるなかで、どのようなお酒を選ぶのか。そして、どのようなお酒を未来へ残していくのか。
自然醸造についてお話を聞きながら、酒造りの技術だけでなく、これからの農業や発酵文化のあり方そのものを考える時間となりました。

発酵を通して世界とつながる
RAW WINEで語られていたのは、ワインも日本酒も共通して
土地の個性をどう生かすのか。
微生物とどう向き合うのか。
どのようなお酒を未来へ残していくのか。
そんな問いを共有する生産者たちが、国やジャンルを越えて集まっていました。
自然酒という切り口は、日本酒をより広い発酵文化の世界へとつなげてくれます。
RAW WINE Tokyoは、日本酒の新たな可能性を感じる場であると同時に、発酵を通して世界とつながる場でもありました。
【RAW WINE 2026 イベント概要】
📍会場:TRC 東京流通センター
📅開催日:2026年5月10日、11日
RAWWINE公式サイト








