今夜どうしよう…えーい! と頻繁に登場するのがカレーというもの。多めに作ったつもりでも、翌日は少し足りなかったりします。
今回はふだんの材料のまま食べごたえをアップする、プロ直伝の「基本(1日目)のカレー」と、そこからひと工夫でボリュームアップもできる、和テイストアレンジをご紹介します。
プロ直伝! 基本(1日目)のカレーレシピ
普段の材料のまま、少しの工夫でボリューミーに。
〈材料〉6~8皿分
・挽肉(牛豚)…200g
・玉ねぎ…200g(厚めのスライス 100g、みじん切り 100g)
・人参…150g(短冊切り 100g、みじん切り 50g)
・昆布水…800cc(昆布3~5g)
・ごま油…大さじ2
・カレールー(フレークタイプ)…170gくらい
❶ボウルに牛ひき肉、玉ねぎと人参のみじん切り、ルー大さじ1を入れ、3個ハンバーグを作る要領でこね、パテぐらいのサイズに丸めておく。
❷フライパンにごま油を入れ、ハンバーグを焼くようにしっかり焦げ目がつくまで両面焼く。焼けたら、軽く肉をくずし、玉ねぎ(スライス)と人参(短冊切り)を入れて炒める。
POINT①:しっかり焦がして香ばしく!
POINT②:野菜は肉汁で炒めて!
❸玉ねぎが透明になったら、大さじ1のルーを加え、弱火で軽く炒める。
❹温めた昆布水を3~4回に分けて入れて煮込み、最後に残りのルーを加える。
POINT③:昆布水は温めると風味UP!
昆布水とは?
うまみ成分はもちろん、食物繊維やミネラルも豊富な、昆布を水につけておくだけの簡単おだし。昆布の「葉」なら1リットルあたり10gくらい、「根」ならコップ1杯に1つ入れて一晩冷蔵庫へ入れるだけ。3~4日保存できます。味噌汁や炊飯、肉じゃがなどに使う和のイメージですが、野菜の蒸し煮やポタージュ、ドレッシングのベースなど幅広く使えます。残った昆布も食べて!
昆布特有の匂いが気になる方は、炊飯や今回のようなカレー料理で試してみるのが良さそう。
基本のカレー完成!
※こちらをベースに2日目カレーを作っていきます
アレンジレシピ①
ごぼうとキツネで卵とじカレー丼
旬を迎える新ごぼうをONして、お蕎麦屋さんのカレー丼風に仕上げました。
昆布水でまろやかになったベースカレーに油揚げがうまみを増して、卵でとじてふんわり。
〈材料〉2人分
・めんつゆ…40g
・水(昆布水)…160g
・ごぼう(ささがき)…40g
・卵…4個
・油揚げ(短冊切り)…40g
・基本(1日目)のカレー…200g
・万能ねぎ…少々
〈作り方〉
❶ ごぼうはささがき、油揚げは短冊切りにし、卵は溶いておく
❷ 小鍋にめんつゆ、水(昆布水)、ごぼうを入れ、火が通るまで煮る
❸ 火が通ったら油揚げを入れ、基本(1日目)のカレーを鍋の中心に入れ、軽く温める
❹ 溶き卵を回しかけ、ふんわり半熟になったら火を止める
POINT①:火を入れすぎないのがポイント!
❺ ごはんに盛る
ごぼうとキツネで卵とじカレー丼、完成!
アレンジレシピ②
切り干しとしらたきのキーマカレー
切り干し大根としらたきにカレーのうまみが染み、もぐもぐすると和のテイストに。おつまみとしても。
〈材料〉2人分
・めんつゆ…20g
・水(昆布水)…100g
・切り干し大根(乾燥)…100g
・しらたき…40g
・基本(1日目)のカレー…200g
・揚げ玉…少々
・鰹節(ごはん用)…少々
・万能ねぎ…少々
・ごま油…少々
〈作り方〉
❶ 水で戻した切り干し大根としらたきは、それぞれ約2~3cmに刻む。ごはんには鰹節を入れ、おかか飯にしておく
❷ カットした切り干しとしらたきをごま油で軽く炒める
❸ めんつゆ、水(昆布水)を入れ、中火で5分くらい炊く
❹ 水分が9 割くらい飛んだら基本(1日目)のカレーを入れ、弱火で温める
❺ おかか飯に❹を盛り、揚げ玉と万能ねぎをトッピング
切り干しとしらたきのキーマカレー、完成!
ASIANに味変!
ココナッツパクチーソース
〈材料〉いつもの材料で手軽に
・パクチー(本来はパクチーファラン〈ノコギリコリアンダー〉を使います)
・にんにく…5g
・しょうが…5g
・レモン果汁もしくはライム果汁…15g
・塩、砂糖…少々
・ココナッツミルク…50g
〈材料〉さらに足すとより本格派に
・タイ唐辛子(生)…2個
・レモングラス(茎)…5g
・ナンプラー…少々
・ホワイトペッパー(ホール)…10粒
※砂糖の代わりにパームシュガー(5g)を使ってもOK
〈作り方〉
①クロック(タイのすり鉢)ににんにく、しょうが、唐辛子、パクチーの根っこ、ホワイトペッパー、レモングラス、塩を入れ、トントンしながらつぶす
②パクチーの葉を入れ、①の素材と合わせるようにつぶす
③ペースト状になったらレモン果汁、ナンプラー、砂糖を入れ、味を調整
④最後にココナッツミルクを入れる
クロックがないご家庭は、①②をミキサーやブレンダーに入れて一気に回してもOK。日本のすり鉢があれば、粗みじん切りにしてゴリゴリしても大丈夫です。
基本のカレーに、ココナッツパクチーソースを載せれば……
ココナッツカレーパクチーソース、完成!
スタイリング・佐藤智子/撮影・栗原一康/文・松田慶子
→「Kitchen Love the Earth」第15号本誌情報はこちらから
レシピ提供・監修
渡辺健二(わたなべけんじ)さん
20種類以上のスパイスを使う「薬膳マグマカレー」が名物の、下高井戸の居酒屋「旬菜旬酒からこあ」店主。四季折々の美味しいものを、化学調味料を使わずに多彩な技で調理している。
店主のかたわら、新メニュー開発や料理教室のほか、食に関する業務をサポート。バンコクでは創作居酒屋を経営していたことも。今回紹介したパクチーソースは、そんな本場仕込み。
旬菜旬酒からこあホームページ https://kalakoa.net/