月曜深夜はイケメン×グルメドラマで癒されつつ１週間の活力を得たい！

“おいしいドラマ”は、第１話でだいたいわかる

Vol.３「シェフは名探偵」

テレビ東京が誇るドラマ枠を堪能する

ドラマには枠ごとに特徴があります。例えばフジテレビの月９と言えばトレンディドラマの代名詞として一時代を築きましたし、今ならTBSの日曜劇場枠は半沢直樹のような熱い顔芸ドラマが主流です。

今回ご紹介するのは、テレビ東京が誇る月曜ドラマ枠で始まった「シェフは名探偵」。この枠は前作「珈琲いかがでしょう」から始まった新しいテレビ東京月曜ドラマ枠ですが、もともとテレビ東京は月曜に面白いドラマを連発させていました。

古くは映画化もされた長谷川博己主演の「鈴木先生」がありますし、その後は経済ドラマに特化した「ドラマBiz」枠だったり、秋元康が企画し豪華キャストで話題になったドラマ「共演NG」だったり。

今年の４月に情報番組が22時に繰り上げられたため、23時6分（！）から始まるドラマ枠となりました。

この時間帯になってからの特徴は、“癒し”です。１週間の仕事のスタートである月曜日、やらなければいけないことがたくさん見えて、張り詰めた気持ちで帰って来る人も少なくないでしょう。そんな人たちの心にイケメン俳優がやさしく寄り添ってくれて、お腹も満たしてくれるのがこの枠です。

前作「珈琲いかがでしょう」も、原作漫画そっくりの中村倫也が主人公を演じ話題になりましたが、遅い時間にもかかわらず珈琲を飲みたくなってしまう癒しのドラマでした。さて、それに続いて始まった「シェフは名探偵」はどんなドラマなのでしょう？

珈琲から本格フレンチへ！

今度は毎回本格フレンチが出てくるグルメドラマです！　だからキチラブで取り上げるんですね（笑）

さて、ヴァン・ショーという飲み物をご存知でしょうか？フランスの冬には欠かせないという温かいワインのことです。このヴァン・ショーと極上料理でもてなす小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」がこのドラマの舞台。ここを訪れる客たちの抱える問題や事件を、ホームズばりの洞察力と推理力を誇るシェフが解決していくというグルメ＋ミステリーのドラマです。

第１話では、新しいギャルソンを招くエピソードと、迷惑なお客さん２組が登場しました。
好き嫌いが激しい客は、不倫相手と店に来ていましたが、シェフはその付き合いがうまくいかないと指摘します。
デザートが不味いと言った客は、自分の店の開店に夢中で、入院している母親の見舞いにも行かないと妹を嘆かせますが、彼が何にこだわっていたかをシェフは見抜きます。
シェフの推理に料理の知識がポイントとなるところは、さすがグルメドラマ。傷ついたり、落ち込んだりしている人を癒してくれるのが、温かいヴァン・ショーなのです。

魅力的なキャストと原作が見事にシンクロ！

前作「珈琲いかがでしょう」の中村倫也に代わり、本作でフレンチの一流シェフであり、名探偵のシェフを演じるイケメンは西島秀俊。やさしい声とはにかんだ笑顔で観るものを釘付けにします。あの洞察力でお客さんのことを見ているのかと思うと、ちょっと落ち着いて食事できなくなりそうですが（笑）。

記憶力も抜群という設定で、第１話で濱田岳演じるリストラ営業マンをギャルソンに抜擢したのも、その異常なほどの記憶力がもたらしたものでした。
お客さんの問題に頼まれもしないのに首を突っ込むことから、他の店員からは「またおせっかいが始まった」と言われますが、結果、お客さんもそれを観ている視聴者も幸せにしてくれます。

「ビストロ・パ・マル」は小さなレストランなので店員はシェフを含めて４人。そのキャスト陣も魅力的です。
ドラマの語り部でもあり、第１話でギャルソンデビューした新人に濱田岳。頼れるスーシェフ（副料理長）に神尾佑。俳句好きなソムリエに、昨年末に解散したE-Girlsのパフォーマーだった石井杏奈。加えて毎回豪華なゲスト出演があるので、誰がどんな役を演じるのかも興味津々です。

そして、お客さんが抱えるいろいろな悩み事を、料理ネタを絡めながら食事シーンだけで解決に導くというアクロバットな設定が成立しているのは、やはりしっかりした原作があってこそのもの。
本作の原作は、人気ミステリー作家、近藤史恵の「ビストロ・パ・マル」シリーズ。
「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」「マカロンはマカロン」の３冊から惜しげも無く毎回２つのエピソードを入れるようです。

夜11時過ぎからのスタートというのは、その日やることをすべて終わらせてのリラックスタイムとしてゆったり観られる時間帯。
極上のフレンチと癒しの時間をどうぞ。ただし、あまり美味しそうだからってその時間からの夜食にはご注意を。