蔵のなかでじっくり醸され、もち米の美味しさが引き出されたみりんには、まろやかで奥深い甘みがあり、実は様々な使い方ができる万能アイテム! そこでみりんの魅力を知り尽くした三州三河みりん醸造元の角谷治子さんに、手軽で簡単なみりんレシピを紹介していただきました。
お芋や栗といったほっこりしたものが美味しくなるこの季節。煮物や炊き込みご飯もいいのですが、子どものおやつにも、そして大人の食事の一品としても食べていただけるのが、さつまいもを使った芋けんぴです。
芋けんぴは通常、砂糖や水あめを使って作ることが多いのですが、みりんを使うと複雑な甘みが加わり、上品な味に仕上がります。砂糖を使った場合、ショ糖という1種類の糖の甘さのため、ストレートな甘さの感じ方をします。しかし、みりんの場合は、麹の力でお米のでんぷんを分解しているので、いろいろな種類の糖が含まれ、口当たりのやわらかいコクのある甘みになり、甘酒などに通じる甘さを感じていただけます。みりんを使うと、砂糖に比べて甘さがやさしいため、くどくなく、いくらでも食べられます。それでいて、さつまいも自体の甘さを隠したり殺したりすることなく、素材の味を引き立てながら、コクも補ってくれます。大学芋にしてもいいのですが、芋けんぴは細切りにするため加熱時間が短いのも利点。サイズ的にもパクパクとつまみやすく、お弁当の隙間を埋める一品としても重宝します。
材料
(4人分)
(4人分)
- 芋けんぴ
- 有機三州味醂(煮切ったもの) 40ml
- さつまいも 100g
- 揚げ油 適量
- 塩 小さじ1/4
作り方
- みりんは小鍋に入れて火にかけ、半量になるまで煮切っておく。
- さつまいもはよく洗い、皮付きのまま5~7mm幅の千切りにする。
- 揚げ油を160℃~170℃に熱し、❷をきつね色になるまで揚げる。
- ❸を油切りしてバットに入れる。煮切ったみりんと塩を回しかけてよく絡める
- ❹を冷蔵庫で冷やし固める。
国内指定産地のもち米で仕込んだ『三州三河みりん』(左)と有機 米で仕込んだ『有機三州味醂』
三州三河みりん醸造元 株式会社角谷文治郎商店:角谷治子
レシピ・写真提供:べっぴんプラス株式会社
文:布施恵