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  • 連載第四回!
2022.11.21

古来から伝わる日本酒の教え 天鷹人語 第四回「日々口福」

  • 有機日本酒でお馴染みの酒蔵が今の時代に伝えたいことは…
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悪酔いしないお酒の飲み方

古来より、酒の席は、人と人とを近しくし、皆で楽しむ場でした。そのため、あまり明確ではありませんが、飲み方の作法として、武家流、公家流、商家流などの酒道があったようです。  

 現代にも通じることですが、空腹では飲まないようにすることが悪酔いしない秘訣です。また、タンパク質やビタミン類を多く含む肴は、身体の負担も軽くしてくれます。それと、「酒一升、水一升」という言葉があり、酒と同量の水を飲みながら酒を飲むと酔い覚めがとても楽になります。

 料理研究家であり唎酒師のYoshikoさんによれば、お酒の後味とお料理を合せると間違いがないと言います。つまり酸味のあるお料理には、酸味のあるお酒、甘味のあるお料理には、甘味のあるお酒と言った具合です。

 食中酒は基本的に醸造酒が合いますが、ワインは酸味とタンニンの渋みで口中を洗い流し、さっぱりとさせてくれて、次の一口を美味しくしてくれます。ビールはホップの苦みが油を切ってくれるとともに清涼感をもたらします。


日本酒に合う料理とは

日本酒は、アミノ酸の旨味と甘味が主成分ですので、お出しの効いた煮物や、お魚、チーズ、生ガキなどアミノ酸の多いお料理と合わせると新しい“うまみ”を創り出してくれます。

最近は日本酒を冷やして飲むことが多いですが、お燗も日本酒ならではの飲み方です。お燗をすると甘味と酸味のバランスが変わり、冷酒にはない柔らかさと旨味が現れます。また、身体にも優しく、温泉に入ったように思わず肩の力がぬけて“ホッと”させてくれます。

底の重いグラスにお酒を入れ、ポットのお湯を入れたお椀に漬けるとグラス1杯ずつ手軽にお燗が出来ます。この方法ですと色々なお酒のお燗が楽しめます。
冷える夜には、身も心も暖まるお燗酒は如何でしょうか?




→第一回「酒土不二」はこちら

→第二回「SDGs酒」はこちら

→第三回「温故知酒」はこちら

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    文:天鷹酒造株式会社  蔵元
      天鷹オーガニックファーム株式会社
      代表取締役  尾﨑宗範さん

    栃木県北の人口5,000人の小さな村に生まれ、豊かな自然の中で育つ。1996年より「米作り酒造りの会」を20年間主催する。有機JAS法制定を機に、有機について勉強を始め、2005年に有機認定事業者となる。2014年EU及びアメリカの有機認証取得。2017年第105回全国新酒鑑評会にて、有機日本酒として初の金賞を受賞。2018年天鷹オーガニックファーム㈱を設立、蔵人による有機米の生産を始める。

    天鷹酒造株式会社
    〒324-0411 栃木県大田原市蛭畑2166番地
    TEL:0287-98-2107
    https://www.tentaka.co.jp/

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