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  • 連載第三回!
2022.09.18

日本酒は米とともに神様へのお供え物 天鷹人語 第三回「温故知酒」

  • 有機日本酒でお馴染みの酒蔵が今の時代に伝えたいことは…
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日本人と神様と日本酒

今年は、コロナ禍で中止されていたお祭りが日本各地で開催されるようになりました。

元々お祭りは、“春に豊穣”を願い、“秋に収穫”を感謝して、神様に実りを奉納したのが始まりです。
古来より米を中心とした稲作文化において、日本酒は米とともに神様へのお供え物とされてきました。

播磨国風土記には、「神様に、捧げた強飯が濡れて黴が生えたので、それで酒を醸し、新酒を神に献上して酒宴を行った」とあります。
基本的に、「神と人と酒」は強い結びつきをもっていました。

また日本では、山や岩、大木などの自然物や、風や雷などの自然現象が信仰の対象となってきました。
日本人は唯一の絶対神や創造神ではなく、自然を含めた万物に畏怖の念をもって、自然と一体の生活をしてきたのです。

しかも、農耕と採取は定住が基本ですので、自然と土地を大切にする循環型農業でもありました。

日本酒が担う「差しつ差されつ」の文化

日本人は神様からの賜物として、同じ酒を飲むことにより、神様を仲介役として、人と人を繋いできました。
冠婚葬祭や日常生活のあらゆる“場”において酒を飲む儀式や習慣がうまれ、日本人の精神様式の基本である“和”や“絆”を創り出してきました。

私の勝手なイメージですが、ウイスキーやブランデーは静かに一人酒が似合い、ビールはワイワイ、ガヤガヤ、そして日本酒は差しつ差されつ、人と人を近しくする酒ではないかと思っています。この互いに注ぎあい、盃を交わす酒は日本酒くらいでしょう。

若い方の中には、「自分のペースで飲みたい」「周り(特に目上の人)に気を遣うのが億劫」と「差しつ差されつ」の文化を敬遠する方もいるかもしれません。
無論、飲酒の無理強いをするのは良くありませんが、今も昔も、人と人が親しくなるには飲食を共にすることがとても有効な手段です。

人は決して一人では生きていけません。それが仮想空間に変わろうとも、人と人が繋がってこそ、生活が充実したものとなり、また社会も発展していくのでしょう。
スマホを盃に持ち替えてみると、ネットではわからない発見があるかもしれません。




→第一回「酒土不二」はこちら

→第二回「SDGs酒」はこちら

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    文:天鷹酒造株式会社  蔵元
      天鷹オーガニックファーム株式会社
      代表取締役  尾﨑宗範さん

    栃木県北の人口5,000人の小さな村に生まれ、豊かな自然の中で育つ。1996年より「米作り酒造りの会」を20年間主催する。有機JAS法制定を機に、有機について勉強を始め、2005年に有機認定事業者となる。2014年EU及びアメリカの有機認証取得。2017年第105回全国新酒鑑評会にて、有機日本酒として初の金賞を受賞。2018年天鷹オーガニックファーム㈱を設立、蔵人による有機米の生産を始める。

    天鷹酒造株式会社
    〒324-0411 栃木県大田原市蛭畑2166番地
    TEL:0287-98-2107
    https://www.tentaka.co.jp/

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