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  • 連載第二回!
2022.08.1

日本酒こそ環境に優しく、無駄のない最先端の商品 天鷹人語 第二回「SDGs酒」

  • 有機日本酒でお馴染みの酒蔵が今の時代に伝えたいことは…
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今も昔も日本酒はSDGs

日本には千数百の日本酒蔵があり、一番古い酒蔵は850年以上になります。そして、それぞれの伝統を重んじつつ“今”の酒造りを行っています。正に“古くて新しい”産業の1つでしょう。

元々は地元の米で醸し、地元の人がその酒を飲んでいましたが、江戸時代になると物流手段の発達とともにお米やお酒が遠くまで運ばれるようになりました。

当時からお酒の原料はお米だけです。
お米は毎年生産され、お酒の製造過程で出てくる糠や酒粕も、そのすべてが使われ、捨てるところがありません。当然、化学薬品も一切必要ありません。
正に環境に優しく、無駄のない循環型の、最先端の商品といえるでしょう。

今やSAKEは世界共通語となり、日本を代表する「文化と食」として、ユネスコ無形文化遺産に登録申請を進めています

そして今、酒蔵では“地元回帰”が進んでいます。
地元で栽培された(自県で開発された)お米や酵母を使った酒造りです。

さらに、酒蔵自体が、農家さん任せにせず、直接田んぼで酒造りに合うお米を栽培するところも増えてきています。

その結果、地(土)に根差した米(酒)となり、地元の気候や、食文化にも合致する酒として世界に出ても唯一無二の酒となります。当然、お米を輸送するためのCO2も削減できます。

未来の子供たちのために

環境のために私たちのすべきことは、単なる“我慢”をすることではありません。

地下のものを使わず、地表にある物と地表に降り注ぐ太陽エネルギーだけを使うか、地下資源を使った分に見合うCO2削減策を講じ、必要以上に消費しなければ、CO2を増やさず、循環型の社会が創れます。

日本酒醸造はその最先端となり得ます。

酒蔵は次世代を担う若い社員さんたちと共に、未来の子供たちと土と水とすべての動植物、地球及び社会の“健康”によい酒を造り、お客様にそれを選び応援していただき、「20歳になってから、美味しく適量」を飲んで頂くことが未来に役立つことではないでしょうか?

日本酒を飲んで未来の子供たちのためにSDGsに貢献しませんか?

当時、これを電車の中吊り広告で見かけ、記憶に強く残ったものです。
「海洋」「エネルギー」「森林」等の地球誕生以来の資源を私たちだけで、
“食べ尽くし”つつあるという現実を感じました。




→第一回「酒土不二」はこちら

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    文:天鷹酒造株式会社  蔵元
      天鷹オーガニックファーム株式会社
      代表取締役  尾﨑宗範さん

    栃木県北の人口5,000人の小さな村に生まれ、豊かな自然の中で育つ。1996年より「米作り酒造りの会」を20年間主催する。有機JAS法制定を機に、有機について勉強を始め、2005年に有機認定事業者となる。2014年EU及びアメリカの有機認証取得。2017年第105回全国新酒鑑評会にて、有機日本酒として初の金賞を受賞。2018年天鷹オーガニックファーム㈱を設立、蔵人による有機米の生産を始める。

    天鷹酒造株式会社
    〒324-0411 栃木県大田原市蛭畑2166番地
    TEL:0287-98-2107
    https://www.tentaka.co.jp/

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