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  • 特集 ローカルオーガニック 広島しまなみ
2025.10.17

広島・しまなみにはオーガニックナチュラルな魅力が満載!

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JR広島駅が大幅リニューアルするなど、注目を集める広島。なかでも尾道を中心とする瀬戸内の「しまなみ」エリア、インバウンドや若い世代も数多く訪れ賑わいを見せますが、実はオーガニック&ナチュラルなフードやスポットが満載。地元のキーパーソンがおすすめする尾道、三原、佐木島エリアを巡ってきました。

取材・編集:種藤 潤(OVJ)
協力:純正食品マルシマ/シネマ尾道/森塚 佳世子




尾道

広島東部に位置する、交通の要所として発達した港町。ラーメン、お好み焼きなどご当地グルメや海鮮も豊富。

瀬戸内を望む街並みは、数々の名作映画を産んだ舞台としても有名で、昔ながらの商店街や寺社仏閣が並ぶ一方でスタイリッシュなカフェや飲食店も点在。
そのなかには地元瀬戸内食材にこだわる惣菜店やスイーツなど、オーガニック&ナチュラルなお店もあります。本誌お馴染みのマルシマの拠点も尾道です。


健康生活マルシマ

尾道を拠点とする醤油、大豆製品などオーガニック商品を製造販売する純正食品マルシマの直営店。自社製品を中心とした有機食品に加え、地元野菜なども販売。定期的に発酵、美容などのセミナーも開催。

〒729-0141 尾道市高須町4839-4 営業時間 9:30~18:00 定休日 日曜祝日
https://junmaru.co.jp



シネマ尾道

JR尾道駅前に立地。閉館した映画館を活用し、2008年から開館。小津安二郎、大林宣彦など尾道にゆかりある名匠の作品から、国内外新旧問わず幅広い作品を毎日上映。毎年1月~2月頃には「尾道映画祭」を開催。

〒722-0036 尾道市東御所町6-2 営業時間 9:00~19:00 定休日 1月1日
https://cinemaonomichi.com


海が近く、歴史や文化や生活が息づき、食にも恵まれるのが尾道の魅力。

 この映画館のオープン当初は、地元の方や尾道にゆかりある名作を知るシニア世代がお客様の中心でしたが、最近では若い世代の方もこの映画館を利用するために尾道に訪れてくるようになりました。この映画館では最新作だけでなく、あえて1、2ヶ月遅れた作品も上映するのですが、逆に都市部では上映が終わった作品を観に訪れる方もいるようで、ゆるやかなテンポが魅力的に感じられるのかもしれません。
 映画館を復活させる前、一度は尾道を離れましたが、人生のほとんどは尾道で過ごしてきました。
 尾道は駅を降りたら目の前が瀬戸内海で、ここまで駅舎から海が近く、それでいて歴史や文化や人々の生活が息づいています。日本全国を見てもこんな環境のまちは他にはなく、そんな環境に囲まれたこの映画館から眺める風景は、とても美しく素晴らしいと、改めて感じます。
 そして尾道はおいしいものに恵まれています。ラーメンやお好み焼きなどはもちろん、お米や野菜などの食材自体の生産地も近く、新鮮なのにリーズナブルに手に入れることができます。尾道の子どもは、そういうものを当たり前に食べて育つので、私も含めて味にうるさいくなりますよね(笑)。改めて良い環境だと実感します。

シネマ尾道 支配人 河本 清順(かわもと せいじゅん)
1976年尾道市生まれ。高校卒業後、京都のファッション専門学校に進学。97年に帰郷しアパレル会社に就職。その後、実家の飲食店で勤務する傍ら04年に「尾道に映画館をつくる会」を結成。05年「NPO法人シネマ尾道」を設立し代表理事に就任。08年に市民募金による映画館「シネマ尾道」を開館。



桂馬蒲鉾商店

大正2年創業。瀬戸内以西の天然生魚を使用し、化学調味料保存料を添加せず、天然昆布のだしと天塩で手作りする蒲鉾は、尾道のソウルフードの一つ。毎日手作り。現在は3代目と4代目が切り盛りする。

〒722-0035 尾道市土堂1-9-3 営業時間 9:00~17:00 定休日 毎週木曜、年始
https://keima-kamaboko.com/



夕やけカフェドーナツ・森を歩くねこ

ドーナツは国産大豆のとうふ、北海道産の小麦、アルミニウムフリーのベイキングパウダーを使用し、純国産米ぬかからできた米油で調理。姉妹店カフェ「森を歩くねこ」は尾道の街並みを見下ろす寺社内に立地。

夕やけカフェドーナツ
〒722-0035 尾道市土堂1-15-21 営業時間 10:00~17:30 定休日 毎週火曜水曜
https://yuyakecafedonut.com/


森を歩くねこ
〒722-0033 尾道市東土堂町10-3 宝堂寺境内 営業時間 12:00~17:00 定休日 土曜日曜以外
https://www.instagram.com/moriwoarukuneko/




三原 世羅

尾道の西側に隣接。尾道と並ぶしまなみ海道の玄関口で、市内には広島空港もある、広島東部の陸海空の拠点だ。

瀬戸内海の中心の港町として、近畿、九州、四国を結ぶ海上要所として発展。旧山陽道沿いの宿場町でもあり、三原駅周辺を中心にその名残を感じられる街並みが残り、その建物を生かした飲食や宿泊施設も点在。たこを中心とした海鮮も有名ですが、実は農業も盛んで、次世代を担うオーガニック農家が活躍しています。

三原しまなみオーガニック案内人

「三原は広島屈指の若手オーガニック農家が集うまち。野菜や米、ハーブなど多彩で、「COCOLA3」で販売してます! 地域おこし協力隊が手がける新しい拠点も面白いです」

べじねす/COCOLA3 代表 森塚 佳世子(もりつか かよこ)さん

野菜ソムリエプロ。三原市八天堂ビレッジにて「体験型八百屋COCOLA3」を運営。地元の農家と連携し、旬の野菜や食材を販売するだけでなく、親子食育教室や防災料理講座などの体験型イベントを開催。食を通じた地域コミュニティづくりを大切にしている。




こいちゃんファーム

移住後に就農した小泉さん夫婦の農園。「健強な身体は食から」をモットーに、竹堆肥と天然ミネラルを中心とした自然農法で野菜に加え、希少な国産ハーブなどを生産。濃密かつ自然な甘味の希少な「安納黄金」の焼芋は必食!

https://koichanfarm.theshop.jp




空の駅オーチャード

2020年にオープンした、広島空港からすぐの商業施設。オリジナルにこだわった地元加工品、名産品を販売、定期イベントも多数。案内人の森塚さんが運営する「COCOLA3」はこちらにあります!

〒729-0416 三原市本郷町善入寺 用倉山10064−196 八天堂ビレッジ内

https://hattendo-village.jp/restaurant/orchard_cafe/




ハレの高原

三原市の北方に隣接する世羅町で、中尾友人さんが無農薬のミントなどを生産、ハーブティなども製造販売。注目はハッカの在来種の「日本ハッカ」。国内でも珍しく、やわらかな清涼感が特徴で、ハーブティは絶品!

https://hare-kougen.jimdofree.com




GENTEN

坂本さん夫婦が営む、三原の若手オーガニック農業の中心的存在。5人の子どもとともに暮らす自宅周辺で野菜や米、大豆など幅広く生産。近隣には食材を使ったカフェも。三原のオーガニック学校給食の普及活動も行っています。

https://www.instagram.com/gentenhaha


民泊たこくん

三原駅北部の昔ながらの住宅街の一角にある古民家をリノベーション。三原名物のたこを用いた大阪式たこ焼き店と、昔懐かしい三原の雰囲気を感じられる民泊施設を併設。オーナーはOKATTEを手がけた四方さん!

〒723-0062 三原市本町2-10-2

https://note.com/shikata_mihara/n/n3a2a40fcddec




OKATTE

地域おこし協力隊の大工の四方諒さんと建築家の三原一哲さんのコラボで、三原駅前の空き家をリノベーション。シェアキッチンとして現在は地元人気店「Curry NANA」を中心に間借り営業中。コワーキングスペースなどの活用も予定。

〒723-0062 三原市本町3-14-19

https://www.instagram.com/okatte.mihara/




佐木島

四方を海に囲まれた豊かな自然環境。尾道三原では地元の海水浴スポットとしても有名。移住地としても注目されている。

しまなみといえば離島。有名なのは尾道の対岸の向島、因島、生口島ですが、しまなみオーガニック案内人・森塚さんがおすすめするのは、佐木島! 三原港の南方に位置し、農産物では柑橘が有名ながら、近年は豊かな自然環境を生かしたオーガニックな食の産地として注目度上昇中!

佐木島には三原、尾道、因島、生口島からフェリーで移動。三原からは島北部の「鷺港」もしくは南部の「向田港」へ。詳しくは佐木島公式サイトhttp://sagishima.info/access/で確認。

柑橘の島として有名ですが、近年はその環境を生かした「鷺島みかんじま」が発足し、極上の卵や天然塩の生産がスタート。
COCOLA3でも販売していますが、全国でも佐木島ブランドが拡大中です!


森塚佳世子さん
三原しまなみオーガニック案内人

「鷺島みかんじま」とは?
2016年に発足。島の特産である柑橘を軸に、商品開発・販売、空き家活用、耕作放棄地の活用、イベント開催などを行っている。

https://www.sagijima-mikanjima.com




鷺邸/八重の塩

佐木島出身の白須克子さんの生家をリノベーション。現在は白須さん自身がオーナーとして、地元中心で運営するゲストハウス。瀬戸内を眺める佐木島らしい風景の魅力は、海外からも人気。ランチ利用も可能。佐木島の食や観光の情報収集もできます。
「鷺島みかんじま」の活動拠点でもあり、佐木島沖でつくる天然塩「八重の塩」の販売もしています。

〒723-0021 三原市鷺浦町須波11

鷺邸
https://sagitei.com/



さぎしま碧

佐木島北部にある「鷺港」の港食堂。惜しまれつつ閉店した食堂跡地が2025年に復活。交代で週替わりメニューのランチを提供しています。取材した日は手作り魯肉飯(ルーローハン)セット。レンタルサイクルもできます。

〒723-0021 三原市鷺浦町須波3323

https://www.instagram.com/sagishimablue




堀本ファーム

地元出身の堀本さん夫婦が、島で間引きした青みかんや海藻、自家製塩などを食べさせて、伸び伸びとした環境で名古屋コーチンを養鶏。その島たまご「瀬戸内柑太郎」は、美味しさはもちろん栄養も抜群! COCOLA3や「鷺島みかんじま」が運営するオンラインショップ「さいさいマルシェ」などで購入が可能です。

「さいさいマルシェ」
https://sagishima.com/pages/about?srsltid=AfmBOoqF6w-xeid8rn3I57fwJT6Ju9XQvGqOr9ne-lXBdifm-LlgmE66

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