食品の値上がりが大きな話題となり、食料危機への不安も現実味を帯びてきています。そんな時代だからこそ、まずはキッチンから暮らしのあり方を見直したい。
とりわけ毎日の食卓に不可欠な野菜は無駄にすることなく、上手に使いこなしたいものです。
「無駄をなくす、という発想ももちろん大切ですが、何より楽しく。
五感を働かせて、野菜に”ちかづく”感覚を大切にして欲しい」と話すのは、愛の野菜伝道師・小堀夏佳さん。
本誌にNo.16まで連載していた「英菜教育のススメ」の著者であり、野菜をこよなく愛する彼女が実践するアイデアをご紹介します。
まずは野菜の愛でてみよう。
食べる前にまず、野菜の色や姿かたちを楽しみましょう。
秋は山の恵みを自由に盛るだけで、部屋の空気が変わります。
西洋梨は食卓の真ん中に置き、毎日両手でやさしく包んで香りを嗅ぎ、好みの弾力まで育んでみて。風土の恵みに感謝の気持ちが湧いてきます

またたび、栗、バナナ瓜、
沖縄在来種かぼちゃ・・・実りの秋。

西洋梨は絵画の被写体としてもよく使わ
れています。なんとも魅力的なビジュアル。
芽吹きで野菜のパワーを感じる。
根菜類は根元を水平にカットし、少しの水に浸しておくと、芽が顔を出します。
大根やかぶなどアブラナ科の野菜の新芽は刻んで薬味に。
人参はセリ科なので、新芽はハーブ感覚で使えます。
私は豆皿を集めているのですが、器との取り合わせも楽しいですよ

高知県春野町の伝統野菜・弘岡かぶ。
春には新芽から花を咲かせてくれました。

パセリやセロリほどでもない、
やさしい風味。まさに人参ヌーボー。
基本は皮ごといただく。
ごぼうはもちろん、大根やかぶも、基本は皮ごといただきます。
大根やかぶは焼くのがおすすめ。皮目にしっかり焼き目をつけると、何も味つけをしなくても、トロトロ&あまあま!
ごぼうは乾燥に弱いので、少し面倒でもぜひ泥つきを選んで。泥で表面がコーティングされているので、みずみずしさや香りの強さが違います。

強くてしなやかな棕櫚(しゅろ)のたわしは、
洗いすぎを防いでくれます。
種やワタから出汁をとる。
かぼちゃを煮るときは、ワタ&種も一緒にコトコト。
ワタには豊富な食物繊維が含まれていますし、かぼちゃの種は漢方の世界で「南瓜仁」と呼ばれ、生薬として利用されてきました。
甘みが増し、とろみもつくので、少しの調味料で味がととのいます。

種はあらかじめ、市販のこし袋などに
入れてコトコトしてもOK。
軸もごちそう。
秋の味覚・きのこはぜひ軸まで食べて欲しい。一番のおすすめは、えのきの軸のステーキです。
それはまるで、森の貝柱! フライパンでジュージュー焼いて、たった3分で主役級の美味しさに。シャキシャキした食感が楽しく、傘の部分以上に旨味もたっぷり。
バター醤油など、ちょっとこってり系の味付けが合う、ごはんが進む1品です!

むしろ軸が食べたいと思ってしまいます。
ぜひ1度お試しを。
スタイリング・佐藤智子/撮影・栗原一康/文・川原舞子
→「Kitchen Love the Earth」第17号本誌情報はこちらから
プロフィール
愛の野菜伝道師 小堀 夏佳
“野菜(Yasai)には愛(ai)がある”をモットーに、おいしいWKWK♪で人を幸せにする愛の野菜伝道師。
オイシックス(株)の初代野菜バイヤーとして全国を巡り、「ピーチかぶ」「トロなす」などネーミングやレシピ、売り方までトータルブランディングし、数々のヒット野菜を生み出す。
2020年よりフリーで活動中。日本テレビ系「世界一受けたい授業」やTBSテレビ「マツコの知らない世界」などにも出演。中1男子の母としても、日々奔走中。