Vol.13「夢みる給食」
子どもたちの身体の3分の1は給食でできている!
小学生の平均体重は6年間でおよそ2倍になるって知ってました?
その身体を作っている食べ物の3分の1は給食なんです。
オーガニック給食を無償化にしようという運動が、今、全国の市町村で広がっています。
この映画は子どもたちのためにオーガニック給食の普及に奮闘するお母さんたちや有機農家の方々、公務員のみなさんたちの活躍を記録した、とってもキチラヴ的なドキュメンタリー映画です。
こんな映画があったんだ、と嬉しくなりました。
オーガニック給食のメリットをドクターが解説
本作では、オーガニック食材が健康な子どもたちを育てる上でいろんなメリットがあることを現役ドクターが語ってくれます。
身体にいいことは想像できますが、具体的なデータを見せられると説得力がありますよね。
オーガニック食材はミネラルが豊富なこと。
だからこそ、保育園児の体温が上がって、平均病欠日数が減るという結果が出ているそうです。子どもの時の食べ物って重要なんですねー。
本作を監督したオオタヴィン監督のこれまでの作品(後述)を観たお母さんたちが、自分たちの街でもオーガニック給食を実現させたいと思って、いろんな活動をしていく姿も描かれています。
この映画を観て思ったのは、そういう大人たちの行動力の凄さ。子どもたちのためだと思うと本当にみんな居ても立っても居られないとばかりに頑張るんです。お母さんも行政も有機農家さんも、みんな一生懸命なんですね。
そして子どもたちの笑顔が映し出されると、みんなの頑張りはこのためなんだなぁと納得しました。
夢みる公務員、夢みる有機農家
最近のニュースを見ていると、政治家や大人の残念な様子が流れていますよね…。
一方、この映画に登場する市長、町長、行政の方々は、オーガニック食材の良さを知っていて、それを子どもたちに還元しようとする志の高い方々が登場。
自分たちがオーガニック食材の恩恵を受けて育ってたり、しっかりオーガニック食材の良さを理解しているからこそ、子どもたちにもオーガニック給食を届けたいと思っていることの本気度が伝わります。
有機農家さんも普通に野菜を作るより絶対大変なはずなのに、当たり前の顔をして、有機野菜を作ることを選択してるんですよね。頭が下がる思いです。
楽しんでもらおうという意気込みが伝わる!
ナレーションは女優の上野樹里が担当。ドキュメンタリー映画というと硬いイメージがありますが、本作は、エンターテイメント・ドキュメンタリーと名付けているだけあって、彼女の優しい語り口と美しい映像でとても観やすい作品になっています。
また、エンディグテーマはクラムボン、劇中歌はYaeが担当。心地いいだけでなく、みなさんの笑顔とともに流れる音楽に感動すら覚えました。
監督のオオタヴィンが主催する「まほろばスタジオ」はこういう子どもたちの未来を明るくするドキュメンタリーをこれまでに5本作って来ました。
「いただきます1 みそをつくるこどもたち」(2017)
「いただきます2 ここは、発酵の楽園」(2020)
「夢みる小学校」(2021)
「夢みる校長先生」(2023)
「夢みる給食」(2024)
これらに企業や行政のスポンサーはおらず、自主上映会の上映費とクラウドファンディングの協賛金だけで映画づくりをしているとのことです。そのため、忖度しない市民目線の映画づくりができているのも納得で、観ていて気持ちがいいのはそのためでしょう。
大宣伝を繰り返すメジャーな映画のように、近所のシネコンで観られるわけではありませんが、あなたの街のミニシアターや自主上映会場で上映されているかもしれません。
ぜひホームページでチェックし、お子さんと一緒にご覧になってください。
【作品データ】
「夢みる給食」
プロデューサー・監督・撮影:オオタヴィン 制作・配給:まほろばスタジオ
ナレーション:上野樹里
エンディングテーマ:クラムボン『Re-ある鼓動』 劇中歌:Yae『花よ風よ』
2023年/日本/カラー77分 ©️まほろばスタジオ 2023
公式サイト https://www.mirai-lunch.jp/