フードスタイリング・山守ひろえ/撮影・山口ベン/文・種藤潤
1月は阪神大震災、3月は東日本大震災と、冬から春にかけては、近年起こった東西の大災害に思いを馳せ、防災に対して身を引き締めるかたも多いでしょう。
それとあわせて、我が家のキッチン周りでも、いざという時のために非常食を新たに買ったりしなければ……と思うことも大事ですが、実は時短で美味しいごはんの定番調理「冷凍ストック」が、そのまま非常食になっちゃいます。
第7号では、「冷凍ストック」に便利なレシピや便利なグッズをご紹介。その前に、防災現場で「冷凍ストック」がどれだけ効果があるのか、防災のプロフェッショナルに話を聞きました。
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“家庭の味”を冷凍ストック
非常時でも美味しく安心ごはん
地震や豪雨でライフラインがストップした時、家庭で過ごす上で重要なのは、少しでもストレスなく過ごすこと。そのためには「明かり」の確保とともに、「食べ慣れた食事」が重要だと、普段の生活から楽しみながらできる「プチプラ防災」を提唱する、辻直美さんは言います。
「実は、日常でも役立つ作り置きや冷凍ストックは、そのまま非常食にもなります。食べ慣れている味は、非常時の不安な気持ちをリラックスさせてくれる。そのためにも“家庭の味” を作り置きし、日常で食べるのはもちろん、非常時の食べ方も試してみることが重要です」
冷凍ストックの場合、ガスコンロと鍋、そして水を保管しておけば、茹でや湯せんで調理が可能。さらに湯せんで使ったお湯は蓋をして蒸発を防げば、洗い物にも利用できるそう
「電気がストップしても、冷凍庫を開けなければ、食材は1日は持ちます。その間、先に保存がきかなくなる冷蔵庫の食材を食べ、次に冷凍ストックを食べる。やってみるとアウトドア感覚で楽しいですよ。私も定期的に自宅で練習しています」
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- 冷凍ストックごはんの
- ・日常ストックがそのまま非常食に
・食べ慣れたごはんで非常時もリラックス
・容器を工夫しカラフルに楽しくストック
辻 直美(つじ なおみ)
国際災害レスキューナース。まぁるい抱っこマイスター。一般社団法人育母塾代表理事。看護師歴28年、災害レスキューナース歴25年。被災地派遣は国内22件、海外2件。その体験をもとに、全国で講演を行う。近著に『レスキューナースが教えるプチプラ防災』。