Kitchin Love the Cinemaで紹介した映画「おいしい給食 Road to イカメシ」の主演を務めた市原隼人さんとヒロインの大原優乃さんがキチラブのインタビューに答えてくれました。
取材・文:板谷 智
――今回の舞台は北海道・函館です。撮影はいかがでしたか?
市原:とても寒かったです。今までの「おいしい給食」は夏の40度以上の中での撮影が多かったのですが、今回初めて冬の設定でしたので。
「私は極端に寒がりだった」というセリフから始まるのですが、これは相当面白くなるに違いないと感じました。
――以前好きな給食ということで「きなこパン」をあげてらっしゃいましたが、今回の給食は地元の食材をふんだんに使ったメニューだったということですが。
市原:まさに地産地消でした。北海道ならではのものがたくさん出てきました。
石狩鍋から始まってちらし寿司、カニ飯など。
給食の前にみんなで校歌を歌うシーンがありまして、甘利田は給食時間が嬉しくて勝手に一人で盛り上がって体が動いてしまっているのですが、その動きはいつも自分で構築して現場に入ります。カニ飯の時は相当動きました。8割くらいカットされてますが(笑)。
――比留川先生は同じ教室で生徒と一緒に給食を食べますが、甘利田先生の独特の動きを見て吹き出しませんか?
大原:段取りで何回かされるので、1回目は大爆笑しますが、だんだん尊敬の目に変わるというか……。カチンコが鳴るまで常に高みを目指して動かれるのがカッコいいなぁと思っていました。
――市原さんは料理がお得意で特にオーガニック食材もよく使うと聞いています。
市原:今の時期、花粉症や季節の変わり目で体調が悪いなと思えばオーガニックなものを選ぶようにしています。善玉菌を増やすことも考えていくと、やっぱり無農薬とかオーガニックな食材にたどり着きます。折角一生懸命育った食材なので、素材一つ一つの味をそのままいただくことが、一番の贅沢だと思います。
――昔からそういうお考えだったのですか?
市原:実は僕の食に関するルーツは祖母にあります。
祖母からずっと言われていたんです。食事の大切さを理解し、大事にしないのは自分を大事にしないのと同じことだと。祖母は戦後の食べ物がない時代の中で、食の大切さを実感し、そして、生きて家族を食べさせるために、料理学校に通って食について勉強したんです。
――それで市原さんは食へのこだわりが人一倍強いんですね。Kitchen Love the Earthは毎号レシピも載せています。レシピ通りにキチンと作るほうですか?
市原:僕にとって料理をするというのはプレゼントだと思っています。その人のことを考え料理し食事を出す。今日は疲れているからあれを入れようとか、その日の天候やコンディションによって変えてみる。レシピは基本的に同じでも、そこから足し引きをしていく。食べる人のことを考える作業はプレゼントの醍醐味に似ていると思います。
――アレンジレシピはKitchen Love the Earthでもたくさん紹介しています。
大原さんは料理はされますか?
大原:はい。おうちで食べられるときは結構自分で作っています。自分の中でメニューが定着してきたので、ちょっと食材にも気を遣ってみたら、いつもと同じ作り方なのに全然違う仕上がりになったと、最近親子丼を作って感じました。
なので、今、市原さんがおっしゃった言葉を聞いてなるほどと思いました。