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  • 体験ツアー第4弾!
2024.01.29

世界農業遺産を巡る能登の里山里海地域ツアーレポート

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今回のレポートは2023年9月30日から10月2日のツアーをもとにしています。2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に被災された方々に心よりのお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。

有機農業の覇者「金沢大地 井村辰二郎さん」を訪れる

今こそ、何をSDGsすべきか?
観て、聴いて、ふれあい、絆を結ぶ体験ツアー

今こそ、何をSDGsすべきなのか、を探求する旅です。
大昔から大変な努力を払って“SDGs”してこられた貴重な遺産を、その遺産を守ってきた人々を、この目で観て、聴いて、触れて、心を通わせ合い、絆を結ぶ。そして、もちろんおいしくいただく。
そんなスタディーツアーで、あなたのSDGsをアップデートしていきましょう!


世界農業遺産(GIAHS)とは?

Globally Important Agricultural Heritage Systems

世界農業遺産(GIAHS)とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ及びシースケープ、農業生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)であり、国際連合食糧農業機関(FAO)により認定されます。
世界中に24か国76地域、日本には現時点で15地域が登録されています。


このシリーズツアーが目指すもの

海(湖)、山、里に深く根差した「有機農業システム」と長い歴史を持つSDGsの本質を、観て、聴いて、触って、実感し、買って支える提携(TEIKEI)の輪を日本全国に広げること

Take Action!
能登に根付いていく「環境保全型農業」と「環境保全型の暮らし」

 能登半島は日本においては、少雨地域だといいます。日本の年平均1718mm/年のところ、能登地区は約1000mm、つまり6割に満たないということになります。意外なことだと誰もが感じるのではないでしょうか? 南北に長く突き出た能登半島、海と山が近く、海の幸、山の幸に恵まれてはいる反面、農産物をゆったりと作る平野には恵まれていません。この特色が、伝統的農村・漁村文化・工芸技術を産んできたといえます。少雨に対応するための「ため池文化」、耕作地を増やすために作られた海を臨む崖を編むように作られた「棚田」、「揚浜式塩田」、海からの強風を守るために、割り真竹で作る「間垣」など、生活に密着した農水林(竹)業に加えて、輪島塗、珠洲焼(すずやき)、七尾和ろうそくなどの工芸がこの地域の庶民の生活を支えてきたのです。生活共同体の中で独特の農村文化が築かれ、その貴重な文化価値が世界農業遺産として認められ認定を受けています。能登の農・山村の文化は「春蘭の里(詳細は下記QRコードより)への宿泊で体験できます。修学旅行や高校生の山村留学の受け入れなど能登の文化を積極的に次世代に伝える仕組みもできています。

                    棚田


 プロローグツアーを含めて、6か所の世界農業遺産を巡り、驚いているのはそのビオ率の低さです。しかし、この能登地域では、「金沢大地グループ(代表 井村 辰二郎氏)」がちょうど認定地域に点在するように7か所以上の大規模な農場を持ち、有機認証を取得した農作物(コメ、麦、大豆を中心に、蕎麦など)を育てています。つまりこの地域だけは、有機農業、しかも大規模栽培という地域おこしが根付いているといえます。農産加工と連動して日本の隅々にまでその加工品を販売する仕掛けも作ってきました。
 井村 辰二郎氏はこう言います。「僕は、有機農業というくくりよりも、環境保全型農業というくくりをもっと大事にしていきたいと思い、ローカル・オーガニック・ジャパンという新しいブランドを作りました。その方が、僕がやっていることがよりよく表現できると思うからです。」かくいう彼の河北潟干拓地にある農場には、コウノトリの巣塔が2本たち、私たちが訪れたときにも、多少時期外れであるにもかかわらず、1つの若いつがいが飛来していました。

                  コウノトリ

金沢大地 製菓用米粉(金沢市)



道の駅すず塩田村 揚浜塩田にがり(珠洲市)



金澤町屋ワイナリー 金沢ワイナリー(金沢市)



農家民宿 春蘭の里(鳳珠郡)




現地の食材を使って作るOrganic CC’Cookingの旅のお土産レシピ

金沢大地の製菓用米粉・米飴・有機大豆でヴィーガンシュークリーム

・材料(6個分)シュー生地
(A)豆乳(金沢大地の有機大豆から手作り)・・・100ml、塩・・・小さじ1/4、菜種油・・・30g、米飴・・・15g、きな粉・・・20g、製菓用米粉・・・80g、重曹・・・小さじ1/2、レモン汁・・・20ml 
豆乳クリーム(B)豆乳・・・100ml、米飴・・・30g、製菓用米粉・・・30g、ビーツパウダー・・・適量

・作り方
①(A)をボウルに入れ、完全に乳化するまでよくかき混ぜます。
②きな粉と製菓用米粉はよくふるっておき、①に加えて混ぜます。
③最後に、レモン汁を加え、さらにしっかり混ぜます。(生地がもたっと落ち着いてくるまで)
④絞り袋に入れて、天板に6個丸く絞りだします。
⑤170℃のオーブンで13〜15分焼きます。冷めたら上下ふたつに切って、豆乳クリーム(※)を絞り出して挟みます。
(※)豆乳クリーム(B)の材料を小鍋でよく溶かして、火にかけ、かき混ぜながら沸騰させて、冷ませばできあがり。


揚浜塩田にがりで豆腐 電子レンジでできる!

・材料(4人分)
豆乳・・・500ml、にがり・・・10〜15ml(豆乳の2〜3%)

・作り方
①にがりには大さじ2杯くらいの水(分量外)を加えてよくかき混ぜ、なじませます。
②①をそっと豆乳に加えて、泡立てないようによくかき混ぜます。
③電子レンジ(600w〜700w)で3分30秒加熱したら、ペーパーを敷いたざるに開け、水分を落とします。
④3時間くらいすると寄せ豆腐ができます。さらに上面にペーパーを置き、重石を載せると木綿豆腐になります。(搾り取った透明な豆乳はスープベースに使いましょう。)


特定非営利活動法人 グレインズ・イニシアティブ
〒542-0064 大阪府大阪市中央区上汐2-5-14 ワカミズビル4F
TEL.090-7090-2422 
https://grainmeister.org/cccooking/




ツアー主催者

山本 朝子

CCクッキングスクール(Cultural Creative Cooking School)代表、特定非営利活動法人グレインズ・イニシアティブ代表理事、一般社団法人オーガニックフードマイスター協会代表理事、「安全な食べものネットワーク オルター」食担当顧問。
オーガニックフード・アドバイザーとして、企業の商品開発コンサルティングやオーガニック学校給食のプロデュース等も手がける。

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