カレーでつながりを生み出す仕掛け人
東新宿「サンラサー」店主 有澤 まりこさん Mariko Arisawa
スパイス料理研究家。東新宿サンラサー店主。キッチンスタジオペイズリー講師。中学時代にオレンジページに載っていたチキンカレーに魅せられ、雑誌「dancyu」掲載の南インドのミールス特集をきっかけに、インド料理の世界へ足を踏み入れる。キッチンスタジオペイズリー 香取薫氏に師事、インストラクターコース修了。現在、同教室の講師も務める。
文:塚原 智美
食べたいものがお店になかった
それなら自分で作るしかないなって
もともと飲食店をやろうとは思ってなくて。きっかけは10年以上前、『dancyu』っていう料理雑誌で南インドカレー特集を見たこと。渡辺玲(あきら)さんが、インドに行って食べている写真を見て、「これ絶対に食べたい!」って。それでお店を探したけど、当時は南インド料理のお店ってなかったんです。インド料理と言えばバターチキンとナン、みたいなメニューばっかり。食べるところがないなら、自分で作るしかない。それで調べて、渡辺先生の教室を見つけて通い始めました。そこで一緒になった仲間と食事会したり、カレーをふるまうようになって、いつのまにか間借りで飲食店をやることに。最初は「米にかけて旨いものは正義」みたいな店をやりたくて。ルーローハンやガパオ、豚肉とインゲン豆のトマト煮込みを作ってました。そのうち、お客さんから「毎週木曜はカレーの日、とかやってみたら」って言われて試してみたら、木曜だけ混むんですよ。あれ? やっぱりカレーなの? って(笑)。お客さんからも「僕たちカレーが食べたいんです」って言われて、カレー専門店になりました。
難しく考えずに料理を楽しむ
こうすれば美味しくなりそうという発想で
こだわりとしては、辛すぎないようにして、消化に良いものを出すこと。気候にあわせてスパイスも変えます。「14時から会議だからごはん減らして」とか言われるとちょっとムッとしちゃう。大事なご飯を減らす? って(笑)。消化しやすいメニューなら、午後も眠くなったりもたれたりしない。すべて身体のためですね。夜食べるなら、メニュー構成も変わってくる。
家での料理でも、普通にスパイスを使います。野菜スープ作って、油で香りを出したクミンを入れてインド風にしたり。「インド料理にしなくちゃいけない」と思うから難しくなっちゃう。ちょっとスパイスを入れたら香りや食感が良くなるかなって。日本なら「ここに味噌入れよう」って発想するところに、スパイスという選択肢が増えているだけ。いろいろ試すのは楽しいですよ。
サンラサー
住 所:東京都新宿区新宿6丁目27-17
営業時間:11:00~15:00
金土日月祝休み(ほかに臨時休業あり)
※2020年8月現在は完全予約制
HP:https://sanrasa.wordpress.com/
オンラインショップ:https://sanrasa.stores.jp/
インスタグラム:https://www.instagram.com/mariko_sanrasacurry/?hl=ja