お弁当。それは小さな箱に、想いを詰め合わせた素敵なもの。食べてしまうと消えてしまう儚さはあるけれど、命を支える上でとっても大切なもの。毎日だととても大変で、私自身、料理はあまり得意ではありませんが、ほぼ趣味の領域で、食材や容器などにちょっとしたこだわりを持つようにしています。
たとえば、お米はお手伝いさせていただいている農家さんの育てたものを使うとか、買い足す場合も、可能であれば有機や自然栽培のものを優先的に。お野菜や調味料は有機や減農薬、また由来がわかるものをなるべく取り入れたりします。
魚は海のエコラベルと呼ばれるMSCやASC認証のものなど、その素材の由来が少しでもわかるものを選びます。オーガニックに有機JASマークがあるように、環境や社会に配慮しながら穫られ加工されたものかを知る手立てとなります。
でも、毎日選び続けるのは大変なので、あまりストイックにはなりすぎず、バランスを取りながら気楽に選ぶのもポイントかも知れません。もちろん美味しいのが一番なのですが、それは私の料理の腕を上げるしかないので(笑)苦戦中……。文句を言わず「ありがとう!」と食べてくれる家族に感謝です。
また、容器や箸も大切で、日本のどの木を使っているのか、技術だけではなくその木の由来も意識します。私が使っている「曲げわっぱ」は、三重県指定伝統工芸品で、且つFSC®という森林認証のもので作られたものですが、本当に素敵です。
ビジネスシーンでもお弁当は欠かせません。新鮮な刺身・寿司等を中心に和食店を展開する「きじま」グループでは、持続可能な水産物の利用、有機/自然栽培農産物の利用推進などを積極的に行っていますが、最近一緒に、「サステナブル弁当」という特別企画をしてみました。主にサステナブルな食材(認証食材等)を使用、お米や調味料への配慮も当然ながら、養殖認証のASCのアサリやサーモンと有機キノコなどの炊き込みご飯、MSCのホタテやかつお、有機野菜の煮物、箸はFSC等、国際認証素材&和食! という挑戦ができたのは、きじまさんのおかげです。
お弁当は、愛情のかけらの詰め合わせ。地球・命・食べる人々をつなぐ、そんな小さな宝箱にどんな食材を調理して入れるのか。お弁当にも、儚さのなかにある美の一つとして様々な愛が繋がりますように!
PROFILE:
Manami /サステナビリティ・アドバイザー
自然環境や社会に配慮した製品やサービス、環境・C S R・S D G s 、エシカル・オーガニック・国際認証に纏わる教育やコンサルティング・アドバイザリー・プロデュース等を手掛ける。株式会社F E M 代表、日本サステナブル・ラベル協会代表理事他、様々な団体の理事も兼任。