私が生まれ育った昭和の頃は、写真館で撮影してもらうと、少しお肌を明るくするお直しをしてくれたものよ。でもさ、今は何? お肌を綺麗に…くらいならまだしも、スマホの画像加工アプリを使って、目はアニメのように大きく、アゴは「親指より細いのかっ!?」ってくらい加工したりしているじゃない? それってどうなのよ?
この“アプリで盛る”現象を、私は整形依存症に近い行為のように感じるの。「ここが気になる」「ここも直したい」…と、徐々にエスカレートするようになるところが、まさにそうよね。しかも、そういう女子って、他人の不自然な写真は「盛りすぎじゃない!?」と指摘するくせに、自分のことには気づかないみたいなの。
整形依存症の人は、普段の地道なスキンケアだの、自分に似合うメイクの研究だのをあまりせずに、困ったらすぐに整形に頼っちゃう傾向があるんだけど、整形よりもさらに安直に美を実現できるのが、画像加工アプリってことなのかもしれないわね。でも、「安直に美を求めるとリスクも大きいのよ!」ってことを、声を大にして言っておくわね。
不思議なのは、普段メイクをほとんどしないような“自称ナチュラル系女子”でも、画像加工アプリを使い始めるとブレーキが効かなくなる人が多いってこと。「ナチュラル系女子なら、自然のままが一番なんじゃ?」って思うんだけど、女心は複雑よね。SNSでお知り合いになった方と実際にお会いして、「えーっと、どちら様?(アイコンの写真と別人じゃないのよっ!)」と思うことも多々あるのよ。
では、画像加工をする時に、どんな点に注意すれば“痛くて怖い盛りすぎ女”になることを避けられるか、伝授するわね!
①「顔のパーツはいじるべからず」
不自然になる原因の1つは、目をシンメトリー(左右対称)にしてしまうから。生まれたての赤ちゃんの顔は左右対象ですが、成長に伴い変化し、対象だったパーツも少しずつズレて、現在の顔になっているの。それを整え過ぎると逆に不自然になるってわけ。
②「肌色をいじりすぎるべからず」
一人だけ浮き出ていると、お化けだわよ! 貞子?「呪怨」の俊雄? 怖っ!!
③「肌の色ムラの修正はOK!」
色ムラをなくすだけで、シミ・くすみ・シワをかなり隠すことができて、若々しく美しい印象になるの。
④「体型はいじらない!」
ボディを細くしたり足を長くしたりと、プロポーションを加工すると、背景が歪んでしまって、加工がバレバレよ!
⑤「2人以上で写っている時、自分だけ修正するべからず」
自分さえ良ければ…という精神が見透かされるわ!どんな時も抜け駆けはダメよね!
加工に頼り過ぎなくても、背景のシチュエーション・光の受け方・メイク・お洋服の色やデザインなどを変えただけで、肌が美しく見えたり身体が引き締まって見えたりするものよ。鏡の前でいろいろ研究してみてね。
PROFILE:
坂梨カズ
「すべての日本人に、より美しく、より幸せな暮らしを!」をコンセプトに、トータルビューティープロデューサーとして活躍中。活動の範囲は、スキンケア・メイクアップなどのコスメティック分野から、ファッションデザイン・コーディネートにまで及び、数々の商品開発にも携わる。近年は「いなり王子」としても注目を浴びている。